東日本大震災行方不明者捜索活動協議会2020
1. ご挨拶・2020会議趣旨説明
ご挨拶
おはようございます。
本日はお忙しい中、こうしてお集まりくださり心から感謝申し上げます。
今日は、先ほど紹介のありました、各研究者の皆さんや、各地域で行方不明者捜索に関わる団体の皆さまと共に、お話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
申し遅れましたが、わたくし、東日本大震災行方不明者捜索活動協議会の発起人で、復興支援プロジェクトSTEP の郷右近と申します。
よろしくお願いいたします。
~中略~
趣旨説明
「東日本大震災行方不明者捜索活動協議会」の開会に際しまして、まず開催のご挨拶と、会議の趣旨説明をさせていただきます。
一昨年まで、この協議会は、12 月に開催しておりましたが、今年から5 月に開催することになりました。前回2018 年12 月に開催しましたのは、女川町の「女川町まちなか交流館」を会場として開催させていただきました。
そして今回は、女川町からの交代ということで、名取市閖上にある、名取トレイルセンターをお借りして開催する予定でしたが、新型コロナウィルスの休業要請につき、当面の間、閉館されてしまうということで、急遽、インターネットでのWEB開催となってしまいました。
わたくしは今、少人数かつソーシャルディスタンスを保ちながらであればということで、仙台高専・園田研究室の会議室をお借りしましてお話しさせていただいております。
お聞き苦しいことなどがあり、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、すべてが初めての試みですので、ご容赦頂ければ幸いです。
本来であれば、海沿いにある、トレイルセンターに皆さんに訪れていただくことで、閖上の風や町の雰囲気など、様々なことを感じていただき、活動に対する意思を強められるのではないかと思っておりましたが残念でなりません。
新型コロナウィルスの戦いに勝利することができた暁には、閖上の会場に来ていただき、外に出て町の全貌を見ていただきながら、当時の状況など、お伝えさせていただければと思っておりますので宜しくお願いします。
本題に入りますが、昨日、私が調べましたところによると、現在、行方不明者の人数は、宮城県全体では1,217 名で、岩手県は1,112 名、福島県は196 名、全国の行方不明者は2,529 名の方々が未だに行方不明のままでいらっしゃいます。
まだまだ多くの方々が見つかっておりません。
ここ数年で捜索活動に従事する人々が減ってしまっている傾向を実感しております。
人員減少は課題として想定はしていましたが、全国的な様々な他の災害も増え、分散していることも挙げられますし、捜しても見つからないじゃないかという声もあるかと思います。しかし、私が当初から心に刻んでいることがあります。「捜さなければ見つからない。」あきらめず、捜し続けることの大切さ。継続することの難しさ、継続しなければ成しえない事が、必ずあると信じております。
言葉でいうのは簡単ですが、行動が伴わなければなりません。この想いすら苦しいとお思いになる方もいらっしゃるでしょう。私たちの行動が誰かを苦しめてしまっているかもしれません。でも救われている方々もいらっしゃるかもしれません。それは私には分かりません。
私たちには行動し捜し続ける他に方法がありません。
行方不明者をみつけてあげられる方法は「知恵を出し合い捜し続ける」しかないと思っています。
議事内容
4年前の2016 年に、仙台高専の園田教授、東京電機大学の渡辺教授と私たちSTEP とが発起人として発足した会になります。
これまで3 回各地で開催しておりまして、今回で4 回目の開催となります。
〔協議会2020 ご報告内容〕
・仙台高等専門学校 園田教授様 :「地中レーダ等を活用した震災不明者捜索の現状・進展と今後の展開」
・東京電機大学 渡邉准教授様 :「高分解能・衛星画像を用いた、捜索範囲の絞り込み」
・豊橋技術科学大学 今井様 :「ドローン映像等の処理による捜索活動サポートの試み」
・復興支援プロジェクトSTEP 五十嵐副代表様:「さまざまな捜索手法の挑戦」
・宮城県行方不明者捜索チーム 高橋様 :「女川町潜水捜索活動」
想い
私たちは、東日本大震災に伴い行方不明のままの方々が、ご家族のもとにお帰りになられることを強く願っております。
これまで、宮城県名取市閖上地区で捜索活動を続けてまいりました。
名取市閖上地区、そして女川町、他にも多方面におかれましても、行方不明者の捜索を続けておられる皆さまの活動を存じております。
この会で皆さまと想いを共有させていただき、互いの活動内容を知ることで、協働できるネットワークを広げていければと感じております。それぞれの知恵や課題を出し合い、継続的に活動していくため、今もお帰りを待っておられるご家族に、寄り添いながら、行方不明者の発見に一歩でも近づけるよう協議し合いたいと思います。
本日は様々な活動のご報告と、活発な討議を期待しております。
長時間になりますが時間の許す限り話し合いたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
東日本大震災行方不明者捜索活動協議会
発起人 復興支援プロジェクトSTEP
郷右近巧