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東日本大震災行方不明者捜索活動協議会2016

3. 女川町地区における行方不明者捜索活動の状況報告

  宮城県行方不明者捜索チーム 代表 齋藤 伸

宮城県行方不明者捜索チームの代表を務めさせていただいております、齋藤 伸と申します。
この度は捜索活動協議会という場を設けていただき、様々な場所で同じく捜索活動をされている皆様と情報や意見交換ができる貴重な機会に参加させていただきましたことを、この場をお借りしまして御礼申し上げます。

​宮城県行方不明者捜索チームの発足

  私共『宮城県行方不明者捜索チーム』は2014年3月11日に発足いたしました。しかしながらそれ以前の震災直後より当方のダイバーでありますダイビングショップ【宮城ダイビングサービス・ハイブリッジ】の高橋が海中の瓦礫撤去や行方不明者捜索、ご遺体の揚州などを継続的にボランテイアで行ってきた経緯がございます。対外的に活動を知ってもらうこと、未だ行方不明の方を待っておられるご家族の方々にも我々が捜索活動を行っていると言うことを知ってもらうこと、を目的として正式に団体として発足した次第です。

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主に女川町内の各浜や各浜管轄下の海中の捜索を行っており、地元の海を熟知しておられる漁師さんら並びに組合の協力の元、海図や魚群探知機を用いて海底の様子や形状を見ながら捜索を行っております。
天候や漁師さんの繁忙期や都合により思うように実施できないことも多々ありますが、その都度対策を練って手法を変えてみたり、日頃からサポートしてくださるSTEPの郷右近さんはじめ皆さんのお力を借りながら、閖上での捜索をさせてもらったりしながら、ありがたいこのご縁に感謝して今の我々があるんだと思っております。
 

行方不明の家族を持つ者として諦めるわけにはいかないんだ

 身分証となる免許証等が入った財布や会社学校団体などの名入りの衣服から持ち主が見つかった事例はいくつかありますが、行方不明の方に繋がる手掛かりはなかなか発見に至ってないのが現状です。
何故未だに続けてるのか?5年も経ってまだ探してるのか?という声を聞くこともあります。
我々は、続けてきたからこそ続いてきたんだという確固たる事実と、何年経とうが諦めるつもりもないし、諦めるわけにはいかないんです。所詮まだ5年10年経ったら所詮まだ10年。なんです。
 

当チームのメンバーでありダイバーに成田さんと高松さんというお二人がいらっしゃいます。娘さんと奥様を探し続けておられるお二人です。正直申しまして決して若い年齢ではございません。それでも過酷なトレーニングを経てダイバーになられ一緒に捜索活動をしています。
いつもたくさんの事を学ばせていただいてる、偉大で尊敬する人生の先輩でもあり、仲間です。

チームを結成するときに高橋と話しました。我々の活動のスパンは一生。

いつまで探し続けても終わりはない。終わらせないし終わらせるわけにはいかないと。1つでも多くの手掛かりを見つけること、1人でも多くの方を見つけること。
そして、我々にできることは『探す側依頼する側として探してあげることではなく、共にいさせてもらうこと』だということ。若輩者である我々には到底計り知れないご苦労や悲しみがあることは承知しておりますが、同じ方向を向いて同じ気持ちで向き合うことはできるのではないかと思い今も一緒に探しています。
これからもずっと一緒に。
『行方不明の家族を持つ者として諦めるわけにはいかないんだ』それだけ。と優しく強く伝えていただきました。
これが我々宮城県行方不明者捜索チームの活動目的であり理念であり信念であります。

海中には数え切れないほど、想像をはるかに超えるほどの量の瓦礫が

まだまだ海中には数え切れないほど、想像をはるかに超えるほどの量の瓦礫があります。ダイバーだから潜って捜索ができるのではありません。プロだろうがキャリアがあろうが常に命の危険と隣り合わせの状況下で潜っています。自分の命とバディの命を守りながら、並外れた精神力で行なっているんです。本気で。毎回本気で手掛かりを見つけるつもりで、見つかると信じて潜っています。なので凹むことも落ち込むこともあります。毎回悔しいです。
でも、諦めるわけにはいかないんです。続けなきゃ続かないし、可能性がある以上諦める理由がないんです。
ダイバーでもない私がこのチームの代表を務めることになったのは、このかけがえのない大事な仲間が命懸けで捜索活動をしている事を知ってもらうためです。潜ってる間誰よりも落ち着く事なく無事に上がってくる事を祈り続けてるからこそ、これも知ってもらいたいと思うからです。
僕はこの仲間と共にいさせてもらえる事を心から誇りに思います。

以上、私の拙い言葉ではございましたが当チームの活動の紹介と報告に変えさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

  宮城ダイビングサービス High bridge 代表 高橋 正祥

海中潜水捜索は命がけ

震災後 6月ころから活動して当時は全国から潜水士、ダイバーが集まり活動していたそうです。

映像をみながら海中捜索の様子を説明と、海中への流出色に様々な物がからまっていて大変危険(本当に命がけ)の活動であることをお話しいただきました。

今後は、海上保安庁、海上自衛隊が捜索していない場所を捜索したいと、あつい想いを伝えていただきました。

 

本日見ていただいた映像はYouTubeにアップロードされています。よかったらご覧になって下さい。

 

「潜水士が記録した東日本大震災」 https://youtu.be/528hnRrLuVg

© 2016 by 行方不明者捜索活動協議会

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